短期変動金利と長期固定金利が存在します。
前者は中央銀行の政策金利に連動しており、経済状況や政策判断によって随時変動します。
後者は住宅ローンや長期債券などです。
固定一律の金利で数十年にわたる長期契約に適用されます。
一般的に金融機関は低い変動金利で資金調達をします。
調達した資金に利率を上乗せし、固定金利で貸し出すことになります。
金融機関は変動金利と固定金利の金利差から利益を得ることができます。
仮に変動金利が固定金利を超えて上昇した場合には、逆サヤが生じるため金融機関に損失が発生します。
金利変動によるリスクを回避することを目的として、アメリカの投資銀行によって金利スワップが考案されました。
例えば金融機関が3%の変動金利で預金を集めて、5%の長期固定金利で貸し出したとします。
変動金利が5%を超えると金融機関に損失が発生することになります。
金利スワップを行うと、金融機関は投資銀行などの幹事企業(アレンジャー)と金利を交換してリスクを回避できます。
金融機関が投資銀行に4%の固定金利を支払うと、投資銀行が代わって変動金利の支払いを負担します。
変動金利が上昇するリスクは投資銀行の負担です。
金融機関は4%の固定金利で資金を調達し、5%の固定金利で貸し出したのと同じことになります。
1%の利益を得られるだけでなく金利変動のリスクを回避できます。
投資銀行は金利スワップをするにあたって、変動金利の平均が4%を超えないと考えています。
そのまま保持すれば1%の利益が得られます。
ただし予想が外れた場合は損失を被ることになります。
投資銀行は自ら金利スワップを行わず、変動金利が上昇しないと考える他の顧客を仲介することも可能です。
この場合は当事者双方から手数料を得ることができます。
金利スワップは取引量の増大にともなって様々な方法で行われるようになりました。
オプション取引と組み合わせたスワップションなど金融工学により様々な取引方法が生み出されています。
スワップ取引は将来の金利変動リスクを回避する目的で金融機関の間で急速に普及しました。
また企業の財務管理にも用いられています。
汎用性が高いため、個人向けの金融商品にも採用されるようになりました。
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