ストラテジー取引は先物取引やオプション取引においてリスクを回避する方法の1つです。
複数の限月取引や売り・買いを組み合わせたポジションを同時に成立させます。
カレンダー・スプレッドは限月間スプレッド取引やリゾンタルスプレッド取引、タイムスプレッド取引などと呼ばれます。
同じ商品の異なる限月間における価格差の変動に注目したスプレッド取引のことです。
スプレッド取引は2つの商品間の金利差や価格差のスプレッド(差額)を利用します。
割高な銘柄を売って割安な銘柄を買い、利ざやを得るのが基本です。
カレンダー・スプレッドではポジションの決済をせず、期近と期先の価格差で売買を行います。
取引が成立した場合には、期近と期先の2つの限月で先物取引が行われることになります。
期先の買いと期近の売りを組み合わせた取引はスプレッド買いと呼ばれます。
反対に期先の売りと期近の買いの組み合わせはスプレッド売りです。
スプレッド買い:期先→買い、期近→売り
スプレッド売り:期先→売り、期近→買い
3月限と6月限など、同一の先物商品の異なる限月間におけるスプレッドが一定水準以上に乖離した場合、割高な限月の売り建と割安な限月の買い建を同時に行います。
限月間のスプレッドが一定の水準に戻った段階で2つの先物取引について反対売買を行うと利益を確定できます。
カレンダー・スプレッドでは割高な限月の銘柄を売って割安な限月の銘柄を買います。
割高な銘柄は価格が下る可能性があり、割安な銘柄は上がる可能性があります。
売りと買いを同時に出すことで、商品の価格がどのように変化しても利益と損失を相殺してリスクを減らすことができます。
カレンダー・スプレッドは裁定(アービトラージ)取引の一種です。
裁定取引では連動性のある銘柄の組み合わせの価格差を利用して利益を得ます。
似たような取引にペアトレードがあります。
ペアトレードでは株式などで連動性の高い銘柄をペアにし、価格が乖離しているタイミングで割高な方を空売りして割安な方を買います。
価格差が縮小したときに反対売買を行えば利益が得られます。
裁定取引とペアトレードの違いは取引対象です。
前者は同一の商品を対象としますが、後者は異なる商品を対象としています。
先物取引である商品の3月限が100円、6月限が150円と仮定します。
この場合、割安なのは3月限で、割高なのは6月限です。両者の間には50円の価格差があります。
3月限を買って、6月限を空売りします。
3月限が120円、6月限が130円になると、価格差は10円に縮小しています。
前者は100円で買ったものが120円になっているので20円の利益です。
後者は150円で空売りしたものが130円になっているので、やはり20円の利益です。
トータルでは40円の利益が発生することになります。
反対に価格差が拡大した場合を考えてみます。
3月限が90円、6月限が160円になったとすると価格差は60円です。
両者とも10円の損失となり、総合で20円の損失になります。
いずれかの予想がはずれた場合を考えてみます。
3月限が90円になり、6月限が120円になると価格差は30円と縮小しています。
この場合だと前者は10円の損失で後者には30円の利益が発生しています。
トータルでは20円の利益が発生することになります。
カレンダー・スプレッドを行っても損失が発生する可能性は存在します。
しかしリスクを抑えて取引を行うことも可能です。
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