・確定申告の手続きと期間について
所得税の確定申告は1年間の所得にかかる税金を計算し、税務署に納税額を報告する手続きのことです。
前年の1月1日から12月31日までの所得と納税額を計算して、翌年の2月16日から3月15日の間に税務署に報告と納税を行います。
期限日が土曜日や日曜日、祝日の場合は、休日明けの平日が期限とされます。
報告と納税は1年に1回決まった期間に行われますが、源泉徴収で払い過ぎた税金の還付を受ける手続きは翌年1月1日から申告でき、申告が可能となった日から5年以内であればいつでも可能です。
・確定申告を怠った場合のペナルティとは
確定申告を期限内に行わなかった場合には、以下のようなペナルティが発生します。
1.納税額に最高税率20%の無申告加算税が課税されます。
2.納税額の最高税率14.6%の延滞税が課税されます。
3.青色申告特別控除の枠が、最大65万円から最大10万円に減額されます。
4.2年連続で申告を遅滞した場合は、青色申告の承認が取り消されます。
・確定申告が必要となる場合とは
以下の4つのうちいずれかに該当する場合は確定申告をしなければなりません。
1.給与所得がある場合
給与所得のある人は年末調整で所得税などが精算されるのが通常なので、基本的に申告は不要とされます。
しかし以下の計算で残額があり、さらに(1)から(6)の要件のいずれかに該当する場合には確定申告が必要です。
計算式
a.各種所得の合計額-所得控除=課税所得金額
各種所得の合計額は譲渡所得や山林所得を含みます。
b.課税所得金額×税率=所得税額
c.所得税額-(配当控除+(特定増改築等)住宅借入金等特別控除)=残額
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除は年末調整の際に控除を受けたものです。
要件
(1).給与の収入金額が2000万円を超える。
(2).給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額の合計額が20万円を超える。
各種の所得金額の合計額は給与所得と退職所得を除きます。
(3).給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額との合計額が20万円を超える。
各種の所得金額は給与所得と退職所得を除きます。
給与所得の収入金額の合計額から所得控除の合計額を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額の合計額が20万円以下の場合は申告不要です。
所得控除の合計額は雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除を除きます。
各種の所得金額の合計額は給与所得と退職所得を除きます。
(4).同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払を受けた。
(5).給与について、災害減免法により所得税等の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた。
(6).在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税等を源泉徴収されないこととなっている。
2.公的年金等にかかる雑所得のみがある場合
公的年金等に係る雑所得の金額から所得控除を差し引いて残額があれば申告が必要です。
公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合は、所得税等の確定申告をする必要はありません。
3.退職所得がある場合
外国企業から受け取った退職金など、源泉徴収されないものがある場合は確定申告が必要です。
退職金などの支払者に「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合、基本的に退職所得に係る所得税等は源泉徴収により手続きが完了するので、退職所得の申告は不要になります。
退職所得以外の所得がある場合は、給与所得がある場合やその他の場合を参照してください。
4.その他の場合
以下の計算式で残額があれば確定申告が必要です。
a.各種所得の合計額-所得控除=課税所得金額
各種所得の合計額は譲渡所得や山林所得を含みます。
b.課税所得金額×税率=所得税額
c.所得税額-配当控除=残額
公的年金等の収入金額が400万円以下、かつ、公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下ならば、所得税等の確定申告は不要です。
住民税については「市区町村からのお知らせ」を参照してください。
上場株式等に係る譲渡損失と配当所得等との損益通算及び繰越控除の特例の適用を受ける場合など、1から4に該当しなくても確定申告が必要になります。
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