消費税は消費行為に対して課される租税で、1953年にフランスの大蔵省の官僚モーリス・ローレによって考案された一種の間接税です。
財貨やサービスの取引によって生じる付加価値に着目して課税する点に特徴があります。
消費税は大きく直接消費税と間接消費税の2種類に分類できます。
1.直接消費税
消費行為を行った本人に対して直接的に課税。商品・サービスの最終的な消費行為(消費金額に対して課税されます。
納税義務者=担税者で、租税の転嫁は起こりません。
2.間接消費税
消費行為を行った者が担税者だが納税義務者ではない。
商品・サービスの消費行為の前段階で、取引行為(取引金額)に対して課税されます。
間接消費税の場合は最終的に消費者が負担するので租税の転嫁が起きています。
納税義務者は商品やサービスの提供者ですが、担税者は最終的な消費者です。
直接消費税は消費行為を行った者が納税義務者であり、ゴルフ場利用税や入湯税などが該当します。
物品やサービスの提供者は徴収納付義務者として課税主体の代わりに徴収を行います。
地方税の場合は特別徴収義務者とされますが、課税主体の代わりに徴収を行う点は同じです。
物品やサービスの提供者は消費者から消費税を徴収して課税主体に納付します。
間接消費税には酒税などがあり、納税義務者は物品の製造者や引取者、販売者、サービスの提供者です。
納税義務者は税目によって異なっています。
間接消費税は課税対象となる物品やサービスの消費を特定のものに限定するかどうかによって、個別消費税と一般消費税の2種類に分類できます。
個別消費税は特定の物品・サービスにのみ課税されますが、一般消費税は全ての物品・サービスに課税されており大型間接税とも呼ばれます。
消費税の分類をまとめると以下のようになります。
間接消費税に含まれる一般消費税(General Tax)には付加価値税(value added tax、VAT)などがあり、個別消費税には酒税やガソリン税、たばこ税などがあります。
日本国内における一般消費税は消費税法の消費税と地方税法の地方消費税の総称です。
一般消費税には付加価値税などがあり、酒税やガソリン税、たばこ税などは個別消費税に該当します。
日本では個別消費税である酒税などに対して一般消費税が課税されており、税金に税金が課税されている状態です。
一方で直接消費税に該当するゴルフ場利用税や入湯税、軽油取引税は利用者が納税義務者となります。
利用明細書などにより本体価格と税金が明確に区分されており、個別消費税を含めず本体価格のみを課税標準標準として消費税が課税されます。
関税は国境や国内の特定の地域を通過する物品に対して課される税であり、一般的には国境関税(外部関税)のみを指します。
現代社会では多くの国々で国内関税が廃止され、国内の産業保護や財政上の理由から輸入貨物に対して課税が行われています。
関税も間接消費税の一種に分類されます。
消費者の消費行動は所得があることが前提となっています。
所得税を課税する際に納税者の所得が十分に把握できないことがあり、正確に税金を集めるのは困難です。
消費行動に課税すれば所得税で把握できない所得にも間接的に課税できます。
ただし所得には消費される部分だけでなく貯蓄に回される部分があります。
所得額と消費額は必ずしも一致しておらず、実際には消費者の消費性向の影響を受けます。
消費性向:可処分所得のうち消費に回される割合。
貯蓄性向:可処分所得のうち貯蓄に回される割合。
消費性向と貯蓄性向の和は1となります。
日本は海外の先進国と比較して貯蓄性向が高いとされてきましたが、高齢化や非正規雇用化による貧困層の増大によって低下し続けています。
所得が減少しても貯蓄性向が低下し、消費性向が高まれば消費税の負担は増えます。
一般的な消費者が使える所得の割合がさらに減るので、経済は停滞することになります。
以下の図は消費税の諸類型を分類したものです。


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