経済学における微分の処理方法

目次

1.微分とは

2.偏微分とは

1.微分とは

 微分とはある関数の各点における接線の傾きのことで、傾きは変化の割合を表しています。

 接線の傾きは微分係数と呼ばれており、グラフの縦軸をf(x)、横軸をxとした場合に様々なxの値における微分係数を集めて関数と見なしたものが導関数です。

 微分係数はある点における接線の傾きを表す値ですが、導関数は関数という違いがあります。

 関数とはある値同士の関係を表す概念です。

 例えばy=5xという式で考えると、xが1のときyが5、xが2のときy25のように、xの値が決まることでyの値も1つに確定します。

 xの値が決まるとyの値が1つに決まるとき、yxの関数といえます。

 導関数とは値を入力するとその値における微分係数を返してくれる関数です。

 一般的にある点における接線の傾きを微分と呼び、導関数を求めることを微分すると表現します。

 2.偏微分とは

 xyなど複数の変数を含む関数が多変数関数です。

 多変数関数に含まれる特定の文字以外を定数と見なして微分したものを偏微分と呼びます。

 3.微分の計算問題を処理するには

 5X3+4X2+3X+2Xで微分する場合

d(5X3+4X2+3X+2)/dX

もしくは∂(5X3+4X2+3X+2)/∂Xと表記します。

 ddifferential(微分)の頭文字で、分数の形式で微分することを表現しています。

dの代わりに偏微分を表す∂を使うこともあります。

 5X3+4X2+3X+2Xで微分することを、

(5X3+4X2+3X+2)’とも表記できます。

 5X3+4X2+3X+2Xで微分する様々なパターンは以下の通りです。

 . 5X3Xで微分する。

 (5X3)’

53X3-1

15X2

 . 4X2Xで微分する。

 (4X2)’

42X2-1

8X

 . 3XXで微分する。

 (3X)’

31X1-1

3

 .2という数値(定数)Xで微分する。

 (2)’0

 定数を微分すると0になります。

 微分の処理では指数(肩の数値)を降ろして、1を引きます。

降ろした肩の数値はXの横の数値に掛けます。

 1乗のものを微分すると1になるので以下のように表現できます。

 X01

 そのため3Xを微分すると以下のようになります。

 (3X)’(3X1)’

31X1-1

311

3

 偏微分の処理パターンには以下のようなものが存在します。

 . 3X2Y3Xで微分する。

 (3X2Y3)’

d(3X2Y3)/dX

32X2-1Y3

=6XY3

 . 3X2Y32XY1Xで微分する。

 (3X2Y32XY1)’

d(3X2Y32XY1)/dX

32X2-1Y321Y0

=6XY32Y

 . 3X2Y3Yで微分する。

 (3X2Y3)’

d(3X2Y3)/dY

32X2Y3-1

=6X2Y2

 Yが最大化するXを求める場合にはdY/dX=0になります。

 Xが変化してもYは最大化されていて変化しない状態なので、YXで微分した値は0です。

 

 


経済学の学び方について

1.ミクロ経済学とは

経済原論はミクロ経済学とマクロ経済学で構成されています。

前者は個別の経済主体の行動を分析する学問です。

消費者理論は個々の消費者の経済行動を分析対象としており、生産者理論は個々の生産者(企業)の経済行動を分析対象とします。

市場の理論は消費者と生産者による取引が行われる市場の経済現象が分析対象です。

経済理論は現実の経済現象を、モデルを使って説明しようとします。

ミクロ経済学では経済主体による満足度を最大化する行動の結果として現実を説明する点に特徴があります。

例えば消費者がスーパーでリンゴを5個購入したと仮定します。

ミクロ経済学では消費者が自分の収入を考えて満足度を最大化しようとした結果、実際にリンゴ5個を購入したと消費行動が説明されます。

満足度最大化のような仮説が現実の経済現象を客観的に説明できるとき、その仮説が現実の分析に有効な道具と認められることになります。

消費者理論では消費者が満足度を最大化すると仮定しましたが、生産者理論では生産者が利潤を最大化すると仮定します。

ミクロ経済学では消費者と生産者、市場の経済行動を説明するために2つの論点を組み合わせた図が使われます。

例えば消費者理論では「予算線と無差別曲線」、生産者理論では「限界収入と限界費用」、市場の理論では「需要曲線と供給曲線」などの図が出てきます。

ミクロ経済学の問題を解くためには、これらの図の使い方を覚えることが大切です。


2.マクロ経済学とは

マクロ経済学は一国の経済全体の動きを、モデルを使って説明する学問です。

もともとは経済学者ケインズの理論に基づいており、現実の国民所得水準をモデルで客観的に説明します。

また国民所得を増やすために政府が発動する財政・金融政策の効果の分析も行います。

45度線モデルとIS-LMモデル、AD-ASモデル、インフレ需要曲線=インフレ供給曲線モデルが、政府による財政・金融政策の効果を分析するために使われます。

これらのモデルは2本の線分で構成されており、線分の移動で財政・金融政策の効果を判断します。

さらにマンデル=フレミング・モデルでは海外との取引を含めて財政・金融政策の効果の分析を行います。


消費税とは

 消費税は消費行為に対して課される租税で、1953年にフランスの大蔵省の官僚モーリス・ローレによって考案された一種の間接税です。

財貨やサービスの取引によって生じる付加価値に着目して課税する点に特徴があります。

消費税は大きく直接消費税と間接消費税の2種類に分類できます。

1.直接消費税

消費行為を行った本人に対して直接的に課税。商品・サービスの最終的な消費行為(消費金額に対して課税されます。

納税義務者=担税者で、租税の転嫁は起こりません。

2.間接消費税

消費行為を行った者が担税者だが納税義務者ではない。

商品・サービスの消費行為の前段階で、取引行為(取引金額)に対して課税されます。

間接消費税の場合は最終的に消費者が負担するので租税の転嫁が起きています。

納税義務者は商品やサービスの提供者ですが、担税者は最終的な消費者です。

直接消費税は消費行為を行った者が納税義務者であり、ゴルフ場利用税や入湯税などが該当します。

物品やサービスの提供者は徴収納付義務者として課税主体の代わりに徴収を行います。

地方税の場合は特別徴収義務者とされますが、課税主体の代わりに徴収を行う点は同じです。

物品やサービスの提供者は消費者から消費税を徴収して課税主体に納付します。

間接消費税には酒税などがあり、納税義務者は物品の製造者や引取者、販売者、サービスの提供者です。

納税義務者は税目によって異なっています。

間接消費税は課税対象となる物品やサービスの消費を特定のものに限定するかどうかによって、個別消費税と一般消費税の2種類に分類できます。

個別消費税は特定の物品・サービスにのみ課税されますが、一般消費税は全ての物品・サービスに課税されており大型間接税とも呼ばれます。
消費税の分類をまとめると以下のようになります。


間接消費税に含まれる一般消費税(General Tax)には付加価値税(value added tax、VAT)などがあり、個別消費税には酒税やガソリン税、たばこ税などがあります。

日本国内における一般消費税は消費税法の消費税と地方税法の地方消費税の総称です。

一般消費税には付加価値税などがあり、酒税やガソリン税、たばこ税などは個別消費税に該当します。

日本では個別消費税である酒税などに対して一般消費税が課税されており、税金に税金が課税されている状態です。

一方で直接消費税に該当するゴルフ場利用税や入湯税、軽油取引税は利用者が納税義務者となります。

利用明細書などにより本体価格と税金が明確に区分されており、個別消費税を含めず本体価格のみを課税標準標準として消費税が課税されます。

関税は国境や国内の特定の地域を通過する物品に対して課される税であり、一般的には国境関税(外部関税)のみを指します。

現代社会では多くの国々で国内関税が廃止され、国内の産業保護や財政上の理由から輸入貨物に対して課税が行われています。

関税も間接消費税の一種に分類されます。

消費者の消費行動は所得があることが前提となっています。

所得税を課税する際に納税者の所得が十分に把握できないことがあり、正確に税金を集めるのは困難です。

消費行動に課税すれば所得税で把握できない所得にも間接的に課税できます。

ただし所得には消費される部分だけでなく貯蓄に回される部分があります。

所得額と消費額は必ずしも一致しておらず、実際には消費者の消費性向の影響を受けます。

消費性向:可処分所得のうち消費に回される割合。
貯蓄性向:可処分所得のうち貯蓄に回される割合。

消費性向と貯蓄性向の和は1となります。

日本は海外の先進国と比較して貯蓄性向が高いとされてきましたが、高齢化や非正規雇用化による貧困層の増大によって低下し続けています。

所得が減少しても貯蓄性向が低下し、消費性向が高まれば消費税の負担は増えます。

一般的な消費者が使える所得の割合がさらに減るので、経済は停滞することになります。

以下の図は消費税の諸類型を分類したものです。

会計ソフトの種類と特徴

 ・会計ソフトとは

会計ソフトは企業における全ての資金の流れを管理・集計し、決算書を作成できるシステムのことです。

紙の帳簿を使う場合には売掛・買掛や入金・出金、振替など資金の動きをそれぞれ伝票に記載しなければなりません。

さらに仕訳帳に転記して総勘定元帳にも転記する作業が必要となるため、簿記の知識が求められます。

会計ソフトを使えば、自動で勘定科目を選んで仕訳が行われシステム上で集計されることになります。

転記をしなくてよいのでミスがなく、会計業務の負担を大幅に軽減できます。

決算書や試算表も自動で集計できるようになっており、簡単に会社の財務状況を確認できるというメリットもあります。

様々なITシステムの中でも会計ソフトは利用者数が多く種類も豊富です。

会計ソフトの種類が多い主な理由としては、まず企業規模の違いを挙げることができます。

企業の規模が変われば部門別管理や連結決算が必要になるため、会計ソフトに求める機能も変化します。

中小企業は単純な機能だけでも問題ありませんが、大企業では複雑な制度に対応した機能を持つ会計ソフトが必要になります。

財務会計と管理会計のどちらを重視するかも、会計ソフト選びでは重要です。

会計業務には帳簿管理や決算書作成などを行う財務会計と、事業ごとの損益計算や原価計算などを行う管理会計があります。

財務会計と管理会計のいずれを重視するかが企業によって異なることも、会計ソフトの種類が豊富な理由の1つです。

利用者層の違いも会計ソフトの種類が多様化する理由となっています。

実際に会計ソフトを使うのは経理担当者だけでなく、経営者自身が使う場合もあれば、会計業務を任された営業や現場のスタッフが使う場合もあります。

機能性が優れた会計ソフトは大企業における複雑な会計業務に対応しており、簿記の知識に精通した経理担当者が使うことを想定しています。

単純な機能だけを備えた会計ソフトが想定する利用者は、日々の売上を記録する個人商店の経営者などです。

会計ソフトには様々なものがありますが企業の規模や、財務会計と管理会計のいずれを重視するか、実際に使用する人の簿記の知識などを考慮すると選びやすくなります。

タイムスタンプ機能や自動仕訳機能のような最新の機能を備えているかどうかも会計ソフトを選ぶ際の重要な判断基準です。

 国税帳簿書類の電子データによる保存を認める法律として電子帳簿保存法が1998年7月に制定され、2005年にはe-文書法の施行に伴って改正され、紙媒体の国税関係書類を電子化して保存できるようになりました。

2015年には電子署名が不要になり、3万円以上の契約書や領収書もスキャナで保存できるようになります。

さらに2016年の税制改正に伴って規則が改正され、デジカメやスマートフォンでの保存も可能となりました。

以前は原稿台を備えたスキャナしか利用できませんでしたが、電子データ保存の要件が緩和されたため、スマートフォンで撮影したレシートの写真もタイムスタンプなど一定の要件を満たすと原本として認められます。

タイムスタンプはその時間に書類が存在しており、その後に変更されていないことを証明する技術です。

最近の会計ソフトにはタイムスタンプ機能が追加され、ソフトの中で押せるようになっています。

電子データ保存機能がある会計ソフトを使えば、経理担当者の負担が大幅に軽減できるだけでなく、ペーパーレス化が進み書類を保存するスペースを小さくできます。

申請をする際に糊で書類を貼る作業が不要になり、出先からスマートフォンで申請できるので便利です。

クラウド型会計ソフトには自動仕訳機能を搭載したものが存在します。

入力された文字や読み取った文字からAIが勘定科目を推測し仕訳をしてくれます。

仕訳以外にも消込やエラーを確認する機能などがあるので、大量のデータを効率的に処理できます。

消込とは売掛金・買掛金などの債権・債務の勘定科目の残高を消していく作業のことです。

売掛金の入金があった場合には支払明細と照合しながら入金されたデータを消すと、回収状況や売掛金残高とデータとのずれなどを確認できます。

商品代金が入金された場合に行われるのが入金消込で、代金を支払った場合に行われるのが支払い消込です。

企業規模が大きくなるほど消込が多くなり作業が煩雑化するため、月次決算の締めが遅れる原因になります。

AIを活用した会計ソフトを導入すればミスを減らして作業を効率化できます。

・インストール型とクラウド型

会計ソフトにはインストール型とクラウド型の2種類があります。

インストール型は以前から広く使われており、一般購入してパソコンにインストールすれば月額料金は発生しません。

ただし法改正などでバージョンアップが必要になる場合があり、ソフトによってはバージョンアップに別料金がかかることがあります。

またバージョンアップのための作業が必要になる場合もあり、手間がかかってしまうので注意が必要です。

インストール型は複雑な作業を素早く行うことができ、使う場所やパソコンが決まっている場合などに適しています。

長年にわたって広く利用されてきた実績があり現在でも高いシェアを占めます。

クラウド型の会計ソフトは初期費用がほとんど不要です。

月額料金が発生しますが総合的な費用を平準化できます。

さらに使い勝手や機能などに問題があり他のソフトに変えたい場合にはいつでも解約が可能です。

クラウド型の会計ソフトはバージョンアップ作業が不要なのでメンテナンスに手間がかかりません。

データはクラウドに保存されており、ハードウェアの障害によるデータ消失を防げます。

インストール型の会計ソフトの中にも、クラウドにデータを保存可能なサービスやオプションを提供しているものがあります。

クラウド型の会計ソフトはパソコンを他の人と共有する必要がないので、IDを発行すれば誰でもデータにアクセスが可能で、複数人による同時作業もできます。

経費精算システムを使わず会計ソフトに直接的に伝票入力する場合、クラウド型ならば領収書をスマートフォンで撮影して出先でも処理できるので便利です。

オフィスの外に出る用事が多い場合にはクラウド型の会計ソフトを導入すれば効率的に経費を処理できます。

・会計ソフトの様々なメリットとは

1.業務の効率化

会計ソフトを導入すると勘定科目の入力作業が簡単になるだけでなく、ミスが少なくなります。

入力作業を補助する機能を備えており、交通費と入力した場合には勘定科目欄に旅費交通費が自動入力されるだけでなく取引先を履歴から選べます。

伝票入力したデータは会計ソフト上で集計されるので、手書きやエクセルを使う場合のように伝票の内容を個別に仕訳帳や総勘定元帳へ転記する必要がありません。

入力漏れや数字の間違いなどのミスをしなくて済みます。

会計ソフトでスキャン機能を使うと読み取った内容が自動入力されます。

入力する手間を省けるだけでなく、内容を確認するだけでよいので効率的です。

スマートフォンで使える会計ソフトならば、外出先でも経費などの入力ができます。

会計ソフトを使うと会計事務所とデータを共有できるので、決算ごとに郵送したり確認のために来てもらう必要がなく、修正箇所があればすぐに直してもらえます。

データをソフト上で保存できるので、帳簿の紛失やエクセル・データの誤消去のようなトラブルを回避できます。

紙の帳簿やエクセルを使う場合には売掛・買掛、入金・出金、振替のような資金の動きを各伝票に記載して、仕訳帳と総勘定元帳に転記しなければなりません。

会計ソフトで摘要欄を選んで入力すると、自動で勘定科目を選んで仕訳が行われるだけでなく税区分も自動入力されます。

適用欄で交通費を選んだ場合の勘定科目は旅費交通費、文房具代を選んだ場合は事務用品費のように自動仕訳されるので、会計の知識がなくても簡単に使えます。

会計に関する知識がなくてもソフトを使うことができるため、経理担当者を雇わずに経営者が自ら作業を行うことも可能です。

事業開始直後など経理担当者を雇う余裕がない場合に会計ソフトを導入すれば、費用を抑えることができます。

大企業も会計ソフトを使えば、各地の営業拠点における経理業務を本社に集約して費用を削減できるため経済的です。

2.不正行為の防止

手書きやエクセルで帳簿を作成する場合と異なり、会計ソフトを使うと入力履歴が残ります。

さらに伝票かあら帳簿に自動で転記されるので、改ざんが難しく不正が起こりにくいというメリットが存在します。

伝票に1万円と入力した場合には元帳にも自動で1万円と入力されるため、1千円とごまかすことは不可能です。

3.経営改善

決算表や試算表などは会計ソフト上で帳票を出力すれば最新のデータをすぐに確認できます。

会計ソフトは問題点を素早く発見して経営を改善するのに役立ちます。

・会計ソフトを導入する際の注意点とは

会計ソフトを導入しても大きなデメリットはありませんが、インストール型の場合は法令改正などの際のアップデートを自分で行わなければならないので注意が必要です。

法令改正などを見逃したりアップデートを忘れると、古い方法で書類を作成する可能性があります。

ソフトをダウンロードしてパソコンにインストールし、法令改正などに合わせてアップデートしたりデータをバックアップするなどの作業を自分で行うことに不安がある場合は、クラウド型を選ぶとよいでしょう。

クラウド型の会計ソフトならばインストール型と比較してより直感的に使うことができ、常に最新の状態に管理されているので安心です。

ただしクラウド型の会計ソフトは、長期間使用する場合にインストール型よりも費用がかかる可能性があります。

毎月の利用料は数千円でも3年ほど使えば10万円を超えることもあるので、費用を抑えて長期使用したい場合にはインストール型がおすすめです。

クラウド型は初期投資が少なくソフトウェアの乗り換えが簡単にできるため、一定期間経過後の交換を検討している場合などにおすすめできます。

インターネット環境によってはクラウド型だと動作が遅くなる可能性があります。

導入する前に無料トライアルなどを利用して動作を確認するとよいでしょう。

・会計ソフトの主な機能について

会計ソフトの機能は主に入力支援と承認申請支援、決算処理支援とその他の4種類に分類できます。

1.入力支援機能

伝票を入力したときに項目を選ぶと自動で仕訳が行われる機能は会計ソフトの基本です。

入力する件数が多いと担当者の負担も大きくなるので、自動入力支援機能のあるソフトを選べばさらに業務を効率化できます。

銀行口座やクレジットカードの利用明細を金融機関からCSVファイルでダウンロードして、会計ソフトと連携すれば自動的に取込・仕訳が行われます。

入力支援機能を使うには最初に設定を行う必要がありますが、一旦設定をすれば次回からは取込だけなので効率的に作業ができ、人的なミスも減らせます。

入金・出金以外に売掛金・買掛金の消込も記録できるので、頻繁に資金の動きがある企業に最適の機能です。

入力した情報は修正できるため改ざんの可能性が考えられますが、会計ソフトは金融機関から得た情報を扱うので心理的に改ざんしにくいというメリットもあります。

OCR(Optical Character Recognition/Reade)とは光学的文字認識のことで、手書きや印刷された文字をスキャナやデジタルカメラで読み取り、コンピュータが利用可能なデジタルの文字コードに変換する技術です。

この技術を使えば画像情報のテキスト部分を認識して文字情報に変換できるため、人間が情報を入力する必要がありません。

OCR機能のある会計ソフトを使えば、仕訳伝票を読み取って会計情報を自動的に作成してくれます。

誤入力の修正や自動で読み込みができない項目の手入力を行う必要があるものの、業務効率を格段に向上させることが可能です。

最近ではスキャナだけでなくスマートフォンで撮影し情報を入力できるものも増えており、移動中など外出中でも処理できます。

2.承認申請支援機能

エクセルファイルは共有なので誰でも閲覧・編集が可能ですが、会計ソフトは予め設定された入力者や承認された者だけが操作できるように権限管理機能を備えています。

担当者以外の人間が勝手に操作するなどの不正を防止できます。

入力情報や承認・申請の状態などを会計ソフト上で確認できるため、担当者の手間を省けるというメリットもあります。

承認機能を使うには、未承認案件の集計時の扱いについて注意しなければなりません。

未承認のものを集計対象外にすれば、確定した案件だけが集計されます。

情報の確実性が向上しますが、未承認の状態で入力されている情報が反映されないので正確な状況判断ができません。

未承認案件を集計時に含めるかどうかを選べる機能を備えた会計ソフトを選べば、状況に応じて使い分けられるので便利です。

3.決算処理支援機能

会計事務所との間で情報のやり取りを会計ソフト上で行うことができれば、決算時のコミュニケーションが効率化されます。

決算時は企業も会計事務所も忙しいので、会計ソフトを導入すれば業務効率が向上します。

記帳代行や決算書作成、税務申告書作成などの業務を会計事務所に任せる場合には、会計ソフトの情報を共有できると便利です。

各会計事務所では使用している会計ソフトが異なるので、どのソフトを使っているかどうかを事前に確認するとよいでしょう。

4.その他の機能

会計ソフトには情報のバックアップ機能があるので、紙の帳簿のように紛失する心配がありません。

ただしインストール型だとパソコンが故障したり紛失する可能性があります。

より安全に情報を保存したいのであれば、クラウド型を選ぶとよいでしょう。

会計制度は毎年のように法改正が行われており、マイナンバー制度や消費税率の変更、新元号への対応なども必要になります。

クラウド型の会計ソフトならば自動的に最新の状態にアップデートしてくれるので、安心して使い続けることができます。

インストール型の会計ソフトは自分でアップデートしなければなりませんが、サポートが受けられる場合もあります。

サポート体制や料金を確認した上で使いやすいものを選ぶとよいでしょう。

変化に対応できないソフトだと買い替えが必要になるので、導入費用だけでなくサポート体制についても事前に確認することが大切です。

会計ソフトの中には外貨管理機能を備えたものがあります。

海外との取引を頻繁に行うなど外貨を扱う場合には、この機能を備えたソフトがおすすめです。

・最適な会計ソフトの選び方

領収書をスキャンでき操作性の優れた会計ソフトを選べばスタッフの負担を軽減できます。

さらにAIによる自動仕訳機能や銀行口座明細の自動取込機能、消込機能などがあると便利です。

これらの機能を備えた会計ソフトを選べば、口座の入金・出金を頻繁に繰り返す場合など業務を効率化できます。

一方で現金の取り扱いが多い場合には現金出納帳の画面が見やすいものや、操作性の優れたものを選ぶとよいでしょう。

インストール型の会計ソフトはパソコンの扱いに慣れているのであれば、インターネット上でダンロードしてインストールすればすぐに使うことができます。

すぐに使いたいのであれば、より迅速に導入できるクラウド型がおすすめです。

リモートワークをする場合や営業拠点が複数ある場合にもクラウド型が適しています。

クラウド型ならば、会社から貸与されたスマートフォンを使って、外出中でも申請から承認までの手続きが可能です。

インストール型はWindowsのみに対応しているものが多く見られますが、クラウド型はMacにも対応しています。

クラウド型は導入費用が安く、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットでも使えます。

インストール型はバージョンのアップデートが有料ですが、クラウド型は無料です。

パソコン1台につき1ライセンスが必要などの制限もあります。

クラウド型は別の端末を使って複数人で利用できます。

インストール型は複雑な会計処理に対応しているものが多いので大企業に最適です。

個人事業主や中小企業の場合はクラウド型でも十分な機能を備えています。

複雑な会計処理が不要な場合にはクラウド型を選ぶとよいでしょう。

インストール型の代表的な会計ソフトには「JDL IBEX出納帳 Major」や「会計王」、「わくわく財務会計」、「MJSかんたん!会計」などがあります。

クラウド型の代表的な会計ソフトは「マネーフォワード クラウド会計」や「freee」、「HANJO会計」、「ネットde記帳」などです。

両方のタイプを備えているものには「弥生会計」や「勘定奉行」があります。

料金や機能などはそれぞれのソフトで異なるので、比較検討して最適なものを選ぶとよいでしょう。

インストール型の「JDL IBEX出納帳 Major」ならば無料で利用できます。

「マネーフォワード クラウド会計」や「freee」、「HANJO会計」、「会計王」、「わくわく財務会計」、「MJSかんたん!会計」、「弥生会計」、「勘定奉行」には無料体験期間が設定されています。

まずは無料体験期間が設定されているものを試してみるとよいでしょう。

青色申告をするために必要な手続き

 青色申告の様々な特典を利用するためには、税務署に対して定められた手続きを行う必要があります。

事業所得と不動産所得、山林所得があり青色申告の承認を受けようとする場合は、青色申告申請手続きの対象とされます。

・届出をする税務署

適用を受けるためには「所得税の青色申告承認申請書」を所轄の税務署に提出します。

「所得税の青色申告承認申請書」は国税庁のホームページからダウンロードできます。

基本的に住所地が納税地とされますが、住所地以外の場所で事業を行っている場合は事業所がある場所でも納税が可能です。

事業所のある場所を納税地とするには、青色申告の承認申請とは別に所得税・消費税の納税地の変更に関する届出が必要になります。

・届出を行う時期

青色申告を行うためには期限内に青色申告承認申請書を所轄の税務署に提出しなければなりません。

提出期限は以下の2つのパターンがあります。

1.青色申告書で申告しようとする年の3月15日まで

2.その年の1月16日以後に新規の事業を始めたり不動産の貸付を行った場合は、事業開始などの日から2か月以内

上記の他に相続などで事業を引き継いだ場合にも特別な提出期間の定めが存在します。

提出期間を経過してから申告書を提出した場合、その年度には適用が受けられませんが、翌年から適用を受けられるようになります。

・申請書の具体的な内容

申請書の記載内容には以下のようなものがあります。

1.住所や氏名、生年月日などの個人情報

2.青色申告の適用を希望する時期

年の途中で開業する場合でも、提出期間に間に合うのであれば必ず開業年から適用を受けるようにすることが大切です。

提出期間を過ぎてしまうと開業年の分は適用が受けられず、翌年度分から受けることになります。

3.事業所に関する情報や事業の種類

4.複式簿記・簡易簿記の選択など採用する会計処理方法

青色申告では簡易簿記や現金式簡易簿記だと10万円の控除は受けられますが、複式簿記ならば65万円もの控除が受けられます。

複式簿記は会計ソフトを使えば会計のことを知らない人でも対応できます。

また備え付ける帳簿類についても選ばなければなりませんが、会計ソフトで日常的な処理を行っていれば必要な情報が整理できるので心配は不要です。

現金の出入りが記載されている現金出納帳や売掛帳などは会計ソフトで出力できます。

・青色申告の注意点

開業を考えているのであれば、開業届と一緒に青色申告の承認申請書も提出するとよいでしょう。

事業を始めたばかりの頃は売上がないため赤字になるケースも多く見られます。

開業した年が赤字でも青色申告の承認申請をしておけば赤字を翌年以降に繰り越せます。

青色申告の適用を受けていないと赤字を切り捨てることになるので、翌年度が黒字ならば納税額が高くなってしまいます。

青色申告特別控除は毎年の所得税申告でも節税効果を発揮するので、継続性の高い事業を開始する場合には一緒に青色申告の承認申請をするのがおすすめです。

会計処理を行った場合には、領収書や請求書などの資料を原則として7年間にわたって保管しなければなりません。

領収書などの整理は会計ソフトを利用すれば簡単に行うことができます。

自ら整理を行う余裕がない場合には税理士に相談することも考えられますが、会計ソフトを使って自分で作業をすれば費用を抑えられるので経済的です。

・青色申告の種類について

青色申告には簡易簿記と現金式簡易簿記、複式簿記の3種類があります。

1.簡易簿記

簡易簿記の控除額は最高10万円で記帳方法は発生主義とされています。

発生主義は入金や出金がある日付には関係なく、収入や支出の原因となる経済的事実が発生した日付で収益や費用を計上する方法です。

白色申告も青色申告も基本的に発生主義で記帳しますが、青色申告において現金主義で記帳する場合は現金式簡易簿記の事前申請が必要になります。

現金主義とは入金や出金がある日付で収益や費用を計上する方法です。

4月10日にパソコンをクレジットカードで購入し、5月20日に引き落とされたと仮定すると、発生主義の場合は4月10日に費用を計上し、引き落とし日である5月20日にも記帳します。

発生主義では原因が発生した日とお金の動きが発生した日の2回記帳しなければなりません。

現金主義ならば実際に代金が引き落とされた5月20日の1回だけ記帳すれば足ります。

簡易簿記では所得要件がなく、申告時には「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。

期限後の申告も可能となっています。

確定申告に必要な書類は、青色申告決算書(一般用)と確定申告書B、添付書類台紙です。

現金出納帳や売掛帳、買掛帳、固定資産台帳、経費帳など必要に応じて帳簿を作成します。

事業の種類によって実際に作成する帳簿は異なりますが、現金出納帳などが標準的な帳簿とされています。

2.現金式簡易簿記

現金式簡易簿記は控除額が最高10万円で、現金主義で記帳する必要があります。

申請書は「所得税の青色申告承認申請書(兼)現金主義の所得計算による旨の届出書」です。

現金式簡易簿記には所得要件があり、前々年の所得が300万円以下であることが求められます。

期限後の申告も可能となっています。

確定申告書類は青色申告決算書(現金主義用)と確定申告書B、添付書類台紙です。

必要な帳簿は現金出納帳のみですが、現金以外の取引もある場合はその帳簿も作成しなければなりません。

3.複式簿記

複式簿記の控除額は最高65万円となっており、発生主義で記帳します。

申請書は「所得税の青色申告承認申請書」で所得要件はありませんが、期限内に申告する必要があります。

確定申告書類は青色申告決算書(一般用)と確定申告書B、添付書類台紙です。

複式簿記では総勘定元帳と仕訳帳を作成する必要があります。

さらに必要に応じて現金出納帳や預金出納帳、買掛帳、売掛帳、固定資産台帳、給与台帳などを作成します。

現金出納帳などの簡易帳簿だけでは最高65万円の控除を受けることができず、10万円までの控除が受けられます。

簡易帳簿に加えて債権債務等記入帳を作成し、全ての取引を記録すれば正規の簿記の原則に従うことになるため最高65万円の控除を受けることができます。

預金出納帳や受取手形記入帳、支払手形記入帳、特定取引仕訳帳、特定勘定元帳などが債権債務等記入帳に含まれる帳簿です。

複式簿記では取引が発生すると標準的な簡易帳簿と債権債務等記入帳に取引を記録します。

記帳の際には摘要欄に相手方の勘定科目を記載して、仕訳帳や元帳としての機能を持たせます。

現金や売掛金、買掛金や預金、受取手形、支払手形の期末残高は、最終的に各簡易帳簿から試算表に転記します。

その他の科目も摘要欄を集計して試算表に転記することになります。

貸借対照表や損益計算書など決算書は試算表に基づいて作成します。

・簡易簿記と複式簿記の違いとは

簡易簿記は小遣い帳などと同じく原因が発生するごとに記帳します。

現金の増加・減少が生じた場合には、それぞれの原因を現金出納帳に記録することになります。

複式簿記の場合は1つの取引を2つの要素に分解して記帳します。

現金で何らかの費用を支払った場合には、費用を計上すると同時に資産が減少したことについても記録しなければなりません。

電話代やインターネット代を支払ったときには費用について通信費を計上し、資産については現金が減少したことを記帳します。

土地など固定資産を取得した場合には、固定資産の増加と現金の減少についてそれぞれ記録しなければなりません。

複式簿記では1つの取引を要素に分解して総勘定元帳に記録する必要があります。

1年間の総勘定元帳の記録に基づいて試算表や貸借対照表、損益計算書などの決算書を作成します。

簡易簿記の場合は表計算ソフトやノートなどを使えば誰でも簡単に作成できます。

複式簿記は様々な勘定科目について仕訳を行わないといけないので、会計ソフトを利用した方がよいでしょう。

・白色申告と青色申告の簡易簿記の違いとは

白色申告をする場合の簡易簿記では現金売上を日々の合計金額のみ一括記載できます。

業種を問わず現金売上や現金仕入れ、雑収入等、経費のうち少額のものは日々の合計金額の一括記載が可能です。

ただし雑収入等は事由ごと、経費は項目ごとに一括記載します。

売上や仕入れの中でも、保管してある納品書控や請求書控などで内容が把握できる取引は日々の合計金額を一括記載できます。

掛による売上や仕入れで納品書控や請求書控を保管しており内容を確認できる場合は、日々の記載の省略が可能です。

この場合には現金主義会計が適用されるため、現実に代金を受け取ったときや支払ったときに現金売上や現金仕入れとして記載します。

現金主義会計が適用される場合でも年末には発生主義会計に置き換える必要があり、売掛金や買掛金の残高を記載することになります。

白色申告をする個人で事業や不動産貸付等を行う全ての者は、記帳だけでなく一定期間にわたって帳簿書類を保存しなければなりません。

青色申告をする場合の簡易簿記では、複式簿記によらず簡易的な方法で帳簿を作成すれば足ります。

白色申告の簡易簿記では日々の合計金額の一括記載が可能でしたが、青色申告の簡易簿記では各取引ごとに記録しなければなりません。

・簡易簿記から複式簿記に変更するには

青色申告で最高65万円の特別控除を受けるためには、確定申告書と損益計算書だけでなく貸借対照表を添付します。

必要な帳簿を作成するために、記帳などは各年の1月から始めます。

正規の簿記の原則に従って記帳などを行っていた場合であれば問題はありません。

それ以外の場合には各年の1月から事業用の財産とその他に区分して記帳する必要があります。

貸借対照表の作成が必要なので資産や負債の金額も整理します。

正規の簿記の原則に変更するためには必要になる帳簿や記帳などを予め検討しなければなりません。

事業の状況に合った帳簿を選び、必要な勘定科目を決めることになります。

白色申告の簡易簿記だと控除額は0円です。

青色申告の簡易簿記ならば最高10万円の控除が受けられますが、複式簿記の最高65万円の控除と比べるとメリットが小さくなるので注意してください。

青色申告と白色申告とは

 ・青色申告と白色申告の違い

確定申告では年間の所得と納税額を税務署に申告しなければなりませんが、具体的な申告方法には青色申告と白色申告の2種類があります。

不動産所得や事業所得、山林所得がある事業者は毎日の取引を帳簿に記録します。

青色申告は帳簿の記載事項を確定申告書に記載して申告する制度です。

帳簿は基本的に複式簿記で記録しなければならないため手間がかかりますが、事業で得た収入から最大65万円を無条件で控除できます。

最大65万円の控除によって納税額が安くなるため、白色申告と比べて節税効果が高いというメリットがあります。

青色申告を行うためには事前に税務署に申請書を提出して承認を受けます。

白色申告は青色申告の申請書を提出していない事業者が行う制度です。

2014年から全ての白色申告者に帳簿への記帳と、5年から7年の帳簿等の保存が義務付けられました。

帳簿作成の手間という点で白色申告と青色申告の間に大きな違いはありません。

白色申告は1種類の方法だけですが、青色申告は帳簿の付け方によって2種類の方法に分類できます。

青色申告には10万円控除と65万円控除の2種類があるため、確定申告の方法は全部で3種類存在します。

白色申告(控除なし)→青色申告(10万円控除)→青色申告(65万円控除)の順に節税効果が高くなります。

・青色申告の様々なメリット

青色申告に以下のようなメリットが存在します。

1.青色申告特別控除

青色申告を選ぶと複式簿記で帳簿を付けることになりますが、無条件で65万円の控除が受けられます。

ただし65万円の控除を受けるためには、基本的に翌年の3月15日までに確定申告書を提出することが条件とされています。

期日を過ぎると10万円の特別控除になってしまうので注意してください。

2.純損失の繰越控除

開業して間もない時期や事業を拡大している時期は、経費が増えて赤字になるケースが多く見られます。

純損失の繰越控除制度を利用すれば、その年の事業による赤字を翌年以降3年間に発生した黒字と相殺できます。

前年の赤字が100万円で翌年に200万円の黒字となった場合は、白色申告だと200万円について納税しなければなりません。

青色申告ならば純損失の繰越制度が使えるので、200万円から前年の赤字分の100万円を差し引いた残りの100万円についてだけ納税すれば足ります。

3.青色専従者給与

基本的に家族に支払う給料などは経費として計上できません。

青色申告では税務署に届出をすると一緒に生活している配偶者など家族へ支払う給料を経費にできます。

この制度を利用するには給料が業務に見合っていることや、専業で業務を行っているなどの条件があります。

白色申告にも専従者控除制度があるものの、控除できる金額は最大で86万円です。

青色専従者給与制度の場合は控除額に上限がありません。

4.少額減価償却の特例

自動車やパソコン、カメラなど1年以上使う備品で10万円以上するものは使用期間に応じて費用に計上するため減価償却を行います。

ただし青色申告の届出を行った事業者は少額減価償却の特例を受けることができ、30万円未満の固定資産を購入した場合に全額を費用に計上できます。

白色申告と比べて青色申告は早く費用に計上できるため税金が安くなります。

少額減価償却の特例を利用できる資産の合計金額は年間で300万円までと上限が設定されています。

申告前には資産の合計金額が300万円を超えていないことを確認してください。

5.家事按分

自宅と事務所を兼ねる場合の家賃や電気代などは家事関連費に該当します。

家事関連費は家事按分をすれば事業の経費として計上できます。

ただし経費に計上できるのは業務に関係のある部分だけなので、合理的な割合で按分しなければなりません。

自動車の減価償却費やガソリン代、保険料やインターネット代、電話料金なども家事按分の対象となっています。

確定申告を簡単に行うには

・確定申告の具体的な手続きとは

確定申告の大まかな流れは以下の通りです。

1.申告用の書類を集める。
2.申告書を作成する。
3.申告書と添付書類を提出する。
4.納税・還付の手続きを行う。

・必要な書類を集める

確定申告で医療費控除を受ける場合には医療費を、寄付控除を受ける場合には寄付金を申告しなければなりません。

自営業者の場合は1年間の売上金額と経費を申告する必要があります。

医療費控除を受ける場合は年間の医療費と支出先、誰に関する医療費なのかが分かる書類が必要です。

病院から受け取る領収書やドラッグストアのレシートなどは1年間分を保管してください。

各族全員分をまとめて申告できるので、自分の分だけでなく家族の分も捨てずに保管することが大切です。

ふるさと納税を行い寄付金控除を受ける場合には、納税後に各自治体から寄付金受領証明書が送付されてきます。

サラリーマンの場合は勤務先の会社から年末や年明けに源泉徴収票をもらえますが、最近ではメールで内訳だけ送られるケースもあります。

確定申告には源泉徴収票が必要になるので、手続きを行うのであれば会社から原本を受け取ってください。

・申告書の作成が必要です

確定申告では申告書類を作成する必要があります。

医療費控除を受ける場合には「医療費控除の明細書」も作成して一緒に添付します。

申告書には1年間の収入と控除の内訳を全て記入するので、会社が年末調整を行っている場合でも源泉徴収票の内容を転記しなければなりません。

申告書の用紙は税務署や申告会場だけでなく国税庁のホームページからも入手できます。

・申告書と添付書類の提出

確定申告の申告書は手続きを行う人全てが提出しますが、添付書類は申告内容によって変化します。

例えば医療費控除を受けたい場合は医療費控除の明細書が必要になります。

ふるさと納税による寄付金控除を受ける場合には寄付金の受領証明書が必要です。

また控除を受ける際には源泉徴収票も添付します。

申告書の提出方法は以下の3種類です。

1.管轄の税務署や確定申告会場に持参する。
2.管轄の税務署に郵送する。
3.電子申告(e-Tax)を使う。

毎年確定申告の時期になると日本全国の様々な場所に申告会場が設置されます。

ただし申告書はどこの税務署に提出してもよいわけではなく、基本的に居住地の税務署が管轄となります。

e-Taxを使えばインターネット上で申告の手続きが可能です。

寄付金や生命保険、地震保険の控除証明書、医療費の領収書など一部の第三者作成書類は、記載内容を入力して送信すれば添付が免除されます。

・納税・還付の手続き

確定申告によって具体的な所得税の納税額が決まります。

源泉徴収された分では不足する場合には追加で納付が必要となりますが、払い過ぎていた場合には還付を受けられます。

給与収入しかないサラリーマンが確定申告を行う場合には、基本的に還付の手続きをすることになります。

還付金は銀行振込で受け取るので、指定する口座についても申告します。

・申告手続きのポイントとは

税金を払い過ぎていた場合には、5年間逆上って還付申告を行うことができます。

知識がなく控除の具体的な内容が分からないような場合には税金を払い過ぎている可能性があります。

具体的に何は控除の対象となるかを確かめた上で、払い過ぎていた場合には還付を申告するとよいでしょう。

確定申告の申告書には様々な記入欄がありますが、実際に記入するのは自分が該当する欄だけです。

申告書の記入を間違えた場合には後から訂正しなければならず手間がかかるだけでなく、過少申告加算税が発生する可能性もあります。

記入が必要な項目について十分に確認した上で申告書を作成することが大切です。

・確定申告を簡単に完了させるには

確定申告を簡単に済ませる方法には以下の3種類があります。

1.確定申告書等作成コーナー

国税庁のホームページには確定申告書等作成コーナーが毎年開設されており、インターネット上で申告書を作成できます。

確定申告書等作成コーナーでは画面上で申告内容を選び、金額などを入力すれば必要事項が記入された申告書が作れます。

申告後に還付される金額や追加で納付が必要になる金額も画面上に表示されるので便利です。

確定申告書等作成コーナーは2018年までパソコン用サイトのみ存在しましたが、2019年からはスマートフォン用サイトも開設されています。

パソコンを持っていなくても、スマートフォンがあれば簡単に確定申告書が作成できます。

2.電子申告

電子申告(e-Tax)を利用するにはマイナンバーカードとICカードリーダライタが必要です。

もしくはIDとパスワードを税務署で発行してもらえば利用できるようになります。

電子申告ならば添付書類が一部不要になるだけでなく、申告書類を送付したり税務署へ持参する必要がありません。

自宅から確定申告の手続ができるため効率的です。

3.確定申告会場

確定申告の具体的な手続き方法が分からない場合や、確定申告書等作成コーナーの使い方が分からない場合は、必要と思われる書類を全て用意して確定申告会場を訪ねるとよいでしょう。

会場では相談コーナーが設けられているので、スタッフと相談しながら申告書を作成できます。

不明な点があればすぐにスタッフに質問でき、具体的な申告書作成の流れを確認できるので、翌年からの申告を行う際にも役立ちます。