投資家が損失を抱えている状態で保有している株式などを売却し、損失を確定させることが損切りです。ロスカットやストップロスとも呼ばれています。
株価が下落して回復が見込めないような場合には損切りが有効とされます。回復が見込めない場合、保有し続けると損失額が膨らむ可能性があります。
損切りによって損失を確定させれば、それ以上損失を増やさずに済みます。反対に利益が発生している株式などを売却して、利益を確定させることを利食いと呼びます。
・利食いとは
利食いは一般的に以下のような場合に行われます。
1.価格が下落した後で再び上昇した場合に、利益が発生した状態で次の下落に備えて売却する場合。
2.さらに株価が上昇する可能性があるものの、利益を確保するために売却する場合。
投資の世界には「利食い千両」という格言が存在します。これは利益が生じた場合にさらに値上がりしてから売却しようとするのではなく、すぐに売却して利益を確定することをよしとするものです。
同じような格言に「利食い千人力」や「頭としっぽはくれてやれ」などがあります。売却時期の判断は難しいので格言を参考にしながら堅実に利益を確定させることが大切です。
・塩漬けとナンピンとは
株価が下落した場合にそのまま保有し続ける場合は塩漬けと呼ばれます。さらに株価が下落した状況でさらに買い入れて平均買い単価を引き下げるのがナンピン(難平)買いです。
株価の回復が期待できる場合は塩漬けかナンピン買いを選びます。回復を期待できない場合には損切りを選ぶのが基本です。
塩漬けという言葉は主に株式投資の世界で使われます。株価が買値よりも大幅に下落したため、売るに売れない状態のことです。塩漬け銘柄には含み損(評価損)が発生しています。
評価損は、売却しなければ実現損になることはありません。ただし株価は将来的に必ず上昇するというわけではないため、時価評価で価値を認識するのが現実的です。
塩漬けを行っている間は資金が固定されるので、他に投資して利益を得ることができなくなるというデメリットもあります。
株を塩漬けにしないためには、損切りを行う基準を予め設定しておくことが大切です。個人投資家は損切りができず、利益の発生した銘柄しか売却しない傾向が見られます。そのため機関投資家と比較して塩漬けになる銘柄が多くなります。
ナンピン買いとは難を平均化することです。購入した株式や投資信託が下落した場合に、買付コスト(損益分岐点)を引き下げることを目的としてさらに買付を行います。
ナンピン買いは株価が上昇傾向にあり、一時的に下がった場合に行うと有利になる可能性があります。一方で下落傾向にある場合には損失を拡大させるおそれがあるので注意が必要です。
なお、信用取引における空売りで値上がりした場合に、売り増してコストを上げる行為は「ナンピン売り」と呼ばれます。
相場の格言には「下手なナンピン素寒貧」というものがあります。ある銘柄の株価が下落し続け企業が倒産した場合に、ナンピンを行っていると致命的な損失を被る可能性が存在します。ナンピンにはリスクがあるので慎重に行う必要があります。
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