ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析について

投資タイミングを判断するには、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2つの方法があります。

基本的にファンダメンタルズ分析は長期投資、テクニカル分析は短期投資に適しています。それぞれの方法にメリットとデメリットがあるので、状況に応じて使い分けることが重要です。

いずれかの手法にのみ頼り切ると、思わぬ損失を被る可能性があるので注意しましょう。

・ファンダメンタルズ分析とは

ファンダメンタルズ分析は財務状況や業績をもとに企業の本質的な価値と市場価格との差を分析する方法です。

PER(株価収益率)やPBR (株価純資産倍率)、ROE(株主資本利益率)などが指標として使われます。

企業の本来的な価値を分析し、現在の株価がそれよりも安いか高いかを判断します。割安な場合に購入して、企業価値に見合う株価になったときに売却すれば利益を得ることができます。

長期的に利益が確定するのを待てる人であれば、精神的に余裕を持って投資を行うことができるファンダメンタルズ分析が適しています。頻繁に売買を行うわけではないので、取引に集中する時間がない人にも最適です。

・ファンダメンタルズ分析のメリットとは

ファンダメンタルズ分析では短期的なトレンドに左右されることなく投資判断を行うことができます。精神的に余裕を持って投資ができるというメリットがあります。

テクニカル分析では短期的なトレンドに注目しますが、市場が激しく変動すると動揺して自分の投資スタイルを見失い、損失を被る可能性が存在します。自分の投資スタイルを貫く精神的な強さが重要となります。

ファンダメンタルズ分析では長期投資になるのが一般的です。短期的に株価が下落した場合でも、企業の本来的な価値に見合う株価になるまで待つことができます。

天災や企業における不祥事、事故などが発生すると株価が大きく下落します。ファンダメンタルズ分析では、そのような状況が発生するのを待って株式を購入することになります。

優れた企業であれば、一時的に株価が下がってもいずれ本来の価値まで上昇します。株価が上昇した時点で売却すれば利益が得られます。

・ファンダメンタルズ分析のデメリットについて

個人投資家と機関投資家を比較すると、後者の方が素早く有益な情報を取得することができます。株式市場で利益を得るためには、いち早く有益な情報を掴む必要があります。情報取得能力が高い機関投資家の方が有利です。

個人投資家がファンダメンタルズ分析を行う場合には、割安と判断して購入した株式が既に割高になってしまっていることがあるので注意しなければなりません。

ファンダメンタルズ分析は長期投資で行われるのが一般的です。そのため利益を確定するまでに時間がかかるというデメリットもあります。

・テクニカル分析とは

テクニカル分析は株価の値動きや相場の先行きをデータや経験則に基づいて分析・予測します。チャート分析が代表的な方法です。

テクニカル分析は短期的な市場の変化を予測するのに役立ちます。ただし100%確実というわけではないので注意が必要です。

何度も失敗を重ねながら取引の経験を積むことができれば、この方法を自分のものにすることができます。

・テクニカル分析のメリットとは

株式投資では主観を排除した冷静な姿勢が重要になります。しかし主観が投資判断に影響を及ぼし、間違った選択をする可能性があるので注意しなければなりません。

テクニカル分析は客観的に市場の状況を判断するのに適しています。経営者の人柄や商品の魅力など主観的な判断に頼るのではなく、チャートの形状から客観的に投資時期を判断することができます。

ファンダメンタルズ分析では情報収集能力の優れた機関投資家の方が、個人投資家と比較して有利でした。

しかしテクニカル分析の場合は、両者に優劣の差がほとんどありません。株価はリアルタイムで公開されており、個人投資家も機関投資家も同じように取得できます。

テクニカル分析による短期的な市場予測であれば、個人投資家でも機関投資家と同等に戦うことが可能です。

・テクニカル分析のデメリットについて

基本的にテクニカル分析は短期的な取引で行われます。デイトレードなどの短期的な取引では心理的な強さが求められます。仕掛けをした後の値動きに動揺して自分の投資方針を見失わないように注意しましょう。

予想通りの値動きにならない場合は、損切りするのも1つの手段です。臨機応変に対応する必要があります。

テクニカル分析による判断は絶対に正しいというわけではありません。あくまで短期的な市場変動を予測するだけなので、100%信頼して取引を行わないよう注意が必要です。

何度も取引を重ねれば、テクニカル分析の上手な使い方を覚えることができます。安定して投資を行うためには経験を積むことが大切です。

失敗をした場合には損切りを行い、原因を冷静に分析・検証するようにしましょう。

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