・スイングトレードとは
スイングトレードは投機手法の一種です。
投資対象となる株式銘柄を数日から数週間単位で次々と乗り換えます。
基本的に上昇傾向にある業種の関連銘柄に投資を行います。
ただし好調な業種に含まれる銘柄でも、財務体質に問題のある企業は除外します。
スイングトレードでは、予め決められた短期の投機期間を厳守する必要があります。
同じトレンドが続いている間は銘柄を保有し、トレンドの波を利用して利益を得ます。
一般的に株式投資を行う場合には、企業の財務状態や成長性などに関する情報を参考にします。
しかしスイングトレードでは短期間で取引を終わらせるため、ファンダメンタルズ分析よりもトレンドを知るためのテクニカル分析が重要になります。
デイトレードは1日で売買を完結させる取引手法です。
1日のうちに何度も注文を出すことになります。
一方でスイングトレードでは数日間にわたって銘柄を保有します。
取引の頻度は2日から1週間に1回です。
デイトレードのように1日中パソコンに張り付く必要はなく、取引を頻繁に行わないので売買手数料も安くなります。
スイングトレードではチャートを見ながら株価のトレンドを把握します。
トレンドには上昇と下降、横ばいの3つの状態があります。
またトレンドにも短期と中期、長期が存在します。
自分の取引スタイルに応じた期間トレンドの銘柄を選ぶとよいでしょう。
例えば短期でスイングトレードをしたい場合には、短期トレンドの銘柄を探すことになります。
状況を見ながら市場の流れに乗って利益を出すのがスイングトレードです。
市場の動きを見極めるには移動平均線が重要になります。
スイングトレードには株価の変動幅が大きく流動性のある銘柄が適しています。
また話題になっているテーマ株は短期的に株価が大きく変動する可能性があります。
上昇相場では買われる銘柄が次々に変化します。
1つの銘柄にこだわるのではなく、出来高が多くて取引しやすい複数の銘柄を選んでおくとよいでしょう。
スイングトレードは数日から数週間の期間で取引を行うので、常に市場を監視する必要がありません。
そのためサラリーマンなどの副業に適しています。
副業と言ってもアルバイトなどとは異なり預金などと同じ資産運用なので、会社の副業禁止規定に該当するわけではありません。
勤務時間外であれば何の問題もなく取引を行うことができます。
一般的なサラリーマンの場合、投資による利益が20万円以下であれば確定申告は不要です。
また源泉徴収ありの特定口座で取引を行っていれば、20万円を超えた場合でも確定申告が不要になります。
これらの場合、会社に知られることなく資産運用を行うことが可能です。
スイングトレードはサラリーマンなどの副業に適しています。
上手に取引を行えば大きな利益を得られる可能性がありますが、反対に損失を被る可能性も存在します。
投資を行う場合には、仮に全額失っても生活に影響を及ぼさない資金を使うとよいでしょう。
また、最初は少ない資金で投資を初めて、取引に慣れたら徐々に増やしていくのが効率的な方法です。
・スイングトレードのメリットとデメリット
スイングトレードには様々なメリットとデメリットがあります。
両者を十分把握した上で取引を行うことが大切です。
スイングトレードのメリットとしては、まず企業分析をしなくても大きな利益を得る可能性がある点が挙げられます。
ごく短期間で取引を行うデイトレードと比較して値動きが激しく、相場が上昇している局面で売れば大きな利益を得ることができます。
長期的な取引を行う際には企業の業績から将来の株価を予想するファンダメンタルズ分析が必要になります。
しかしスイングトレードはテクニカル分析の方法を覚えるだけで誰でも取引を始めることができます。
スイングトレードは数日から数週間かけて取引を行います。
デイトレードと異なり市場が開いている時間に監視し続ける必要がないので楽です。
また頻繁に取引を行わないので、売買手数料を安く抑えることもできます。
スイングトレードでは、最も長く銘柄を保有した場合でも期間は数週間です。
ポジショントレードや長期トレードのように数年から数十年にわたって投資を行うわけではありません。
そのため資金の回転効率が優れており、積極的な投資により資産を増やしやすいというメリットがあります。
スイングトレードには主に2つのデメリットが存在します。
まず市場が開いている時間外に発生した株価の変動要因に左右されるという点が挙げられます。
デイトレードの場合はその日のうちに取引が完了するため、市場が閉まれば取引のことを考える必要がありません。
時間外の事情に左右される心配も不要です。
しかしスイングトレードの場合は、市場終了後に何らかの株価変動要因が発生すると翌日の株価に影響を及ぼすため注意が必要になります。
日本の証券取引所が閉まっている夜間にも海外の市場では取引が行われており、翌日の株価が影響を受ける可能性が存在します。
時間外の事情についいも注意を払う必要があるというのがスイングトレードのデメリットの1つです。
スイングトレードのもう1つのデメリットとしては、損切りが難しいという点を挙げることができます。
一旦損切りをした銘柄の株価が、翌日になって上昇する可能性もあります。
そのためずるずると損切りできず、機会を逃す可能性があるので注意が必要です。
1日で取引が完了するデイトレードであれば、スイングトレードと比較して損切りがしやすくなります。
・株式投資の取引期間について
株式投資は取引を行う期間によって呼び方と投資スタイルに違いがあります。
それぞれの特徴を把握して、自分に合ったスタイルで投資を行うとよいでしょう。
数秒から数分の極めて短い時間で取引を行う投資スタイルはスキャルピングと呼ばれます。
この方法では1円でも値上がりすれば売り注文を出し、小さな利益を積み上げることになります。スキャルピングで利益を得るには数秒単位の取引が必要です。
専用のツールやシステムが必要とされるので、一般的な投資家が行うのは難しいという特徴があります。
初心者の場合は短期的な値動きに左右されない長期的な取引の方が適しています。
数分から数時間で取引を行う投資スタイルはデイトレードと呼ばれます。
デイトレードはその日のうちに取引を完結させる点に特徴があります。
この方法で取引を行う場合の投資パターンは投資家によって様々です。
株式市場が開いている午前9時から午後15時までパソコンに張り付いている人もいれば、一定の時間だけ取引を行う人もいます。
デイトレードでは1日の値動きが大きな銘柄が扱われます。
株式の取引に慣れた人に向いている投資スタイルです。
この方法では株式市場が開いていない時間帯の株価変動要因には左右されないというメリットがあります。
取引時間を経過すれば市場の値動きを気にする必要がありません。
数日から数週間にかけて取引を行う投資スタイルがスイングトレードです。
購入した銘柄は数日間にわたって保有し続けることになります。
株価がある程度上昇するのを待って売却します。
スイングトレードを行う場合には、損切りのタイミングを決めておくことが重要です。
どのくらいまで株価が下落したら売却するのかを想定した上で取引を行います。
デイトレードと異なり取引時間を気にしなくてよいというメリットがあります。
サラリーマンなどが副業で株式投資を行う場合などに適した方法です。
数週間から数年にかけて取引を行うスタイルはポジショントレードと呼ばれます。
この方法では複数の銘柄を分散保有し、ポジションを組み替えて大きな利益を得る点に特徴があります。
ポジショントレードは経済状況の影響を受けやすく、株価が上昇している局面では大きな利益を得る可能性が存在します。
しかし株価が下落する局面では大きな損失を被る可能性があるので注意が必要です。
ポジショントレードには慎重に銘柄を選定できるというメリットがあります。
一方で損切りのタイミングを判断するのが難しいというデメリットも存在します。
長期トレードは数年から数十年かけて取引を行う投資スタイルです。
かなり長期的に銘柄を保有し続けます。
株主優待や配当金を目当てにする投資家が多いのもこのスタイルの特徴です。
短期的に株価が下落しても、数年待てば回復することがあります。
長期トレードを行う場合には、将来性があり業績の安定した企業を選ぶとよいでしょう。
不安定な企業を選ぶと、株価が回復不可能なレベルに下落したり売却が不可能になる可能性があるので注意しなければなりません。
慎重に信頼性の高い企業を選べば、短期的な株価の変動に左右されないので初心者にも安心な投資スタイルです。
投資スタイルと取引期間をまとめると以下のようになります。
スキャルピング:数秒から数分
デイトレード:数分から数時間
スイングトレード:数日から数週間
ポジショントレード:数週間から数年
長期トレード:数年から数十年
自分の投資家としてのレベルや、生活スタイルに合った方法で取引を行うことが大切です。