1.ミクロ経済学とは
経済原論はミクロ経済学とマクロ経済学で構成されています。
前者は個別の経済主体の行動を分析する学問です。
消費者理論は個々の消費者の経済行動を分析対象としており、生産者理論は個々の生産者(企業)の経済行動を分析対象とします。
市場の理論は消費者と生産者による取引が行われる市場の経済現象が分析対象です。
経済理論は現実の経済現象を、モデルを使って説明しようとします。
ミクロ経済学では経済主体による満足度を最大化する行動の結果として現実を説明する点に特徴があります。
例えば消費者がスーパーでリンゴを5個購入したと仮定します。
ミクロ経済学では消費者が自分の収入を考えて満足度を最大化しようとした結果、実際にリンゴ5個を購入したと消費行動が説明されます。
満足度最大化のような仮説が現実の経済現象を客観的に説明できるとき、その仮説が現実の分析に有効な道具と認められることになります。
消費者理論では消費者が満足度を最大化すると仮定しましたが、生産者理論では生産者が利潤を最大化すると仮定します。
ミクロ経済学では消費者と生産者、市場の経済行動を説明するために2つの論点を組み合わせた図が使われます。
例えば消費者理論では「予算線と無差別曲線」、生産者理論では「限界収入と限界費用」、市場の理論では「需要曲線と供給曲線」などの図が出てきます。
ミクロ経済学の問題を解くためには、これらの図の使い方を覚えることが大切です。
2.マクロ経済学とは
マクロ経済学は一国の経済全体の動きを、モデルを使って説明する学問です。
もともとは経済学者ケインズの理論に基づいており、現実の国民所得水準をモデルで客観的に説明します。
また国民所得を増やすために政府が発動する財政・金融政策の効果の分析も行います。
45度線モデルとIS-LMモデル、AD-ASモデル、インフレ需要曲線=インフレ供給曲線モデルが、政府による財政・金融政策の効果を分析するために使われます。
これらのモデルは2本の線分で構成されており、線分の移動で財政・金融政策の効果を判断します。
さらにマンデル=フレミング・モデルでは海外との取引を含めて財政・金融政策の効果の分析を行います。